ロロノア・ゾロは東海の魔獣と呼ばれていた。バラティエにいる時も、サンジは今と変わらず日々新聞は読んでいたから、その通り名についても読んだ事があった。 「魔獣……ねェ……」 出会いのインパクトは確かに強烈だった。だが、魔獣というイメージよりも、潔さや剣士としてのプライドなんていう、ゼフ曰くの一本槍なイメージの方が強すぎたので、一緒の船に奇妙な縁で乗る...
ロロノア・ゾロという男は一言で言えば単純で一直線で己に素直な男だ。口に出す言葉がひねくれている時は大概その言葉は麦藁の一味の料理人であるサンジに向けられている場合であることが多い。 やれ「おれの方が全てに置いて勝っている」だの、「料理しか取り柄がない」だの、サンジの感情を逆撫でするのが特技というかもはや趣味だと言っても過言ではないだろう。サンジが女に構っているときなど特...
勇敢なる海の戦士。 世界中の海図。 何でも治す万能薬。 真の歴史。 海の果て、夢の船。 旧友との再会。 世界一の大剣豪。 オールブルー。 海賊王。 ...
「ルフィが海におちたぁぁぁ!!」 ウソップの叫び声で、ウトウトと眠りの世界に入りかけていたゾロはその叫びの内容が看過できぬキャプテンの危機とあって目を覚ました。その後すぐにこの船のコック、サンジの「バカが!!」と言う吐き捨てるような声が聞こえたので、自分が行かねばと勢いよく起こした上半身はそのまま様子を見に行くためだけの動きに変わった。なんだかんだ海での生活が一番長いのは...
剣士で居続ける為に、あまり沢山の情報は必要ない。見ている先は常に最強の座の一点、それだけで良かった。けれど、海賊狩りから海賊になって、仲間も増え、クルーとの生活を続けるにつけてそのスタンスが変わってきた。 ルフィを海賊王にする。それが、自分の野望と同じかそれ以上の優先度を持つようになった。前は、余所見をすることは弱さに繋がると思っていたが、今の自分は確実に以前より強いし...
いい?ぜーったいに、絶対に、絶対に!!騒ぎを起こしちゃだめよ!?わかった!? 比較的治安のいい島について開口一番に言い放った航海士の顔は本気と書いてマジであった。島の名前はサカナ島、正式名称は解らないが島民は皆そう呼んでいる。サカナがよく取れるとかそういうことではなく、島がサカナの形をしているのだ。なのでサカナ島。 そのサカナ島にたどり着いた麦藁...
竜宮城での宴も酣、瓶ごと貰った酒もほぼ残り少ない。 眠気もやってきて、大の字になったままゾロは自分の恋人であるコックの気配を探った。 そう、恋人同士なのだ。 あのクソコックと、この自分が。 考えるだけでむずむずと尻が落ち着かないが、夢でも妄想でもない、現実の事だ。 二年の修行の間に得たものは多かったが、その修行が終わり一味で再会した後に得たものが...
たどり着いた島の中で一番大きな町で、祭りがあると聞いて一番に食いついたのはもちろん麦わら海賊団の船長であるところのルフィであった。 船長命令は絶対であるが、それ以前に屋台で供されているここらでは定番らしい駄菓子や串焼きなどは興味深いものだったので、船を入江に隠して全員でやって来たこの祭ですこしばかり浮き足立ってしまっている自覚があるサンジだ。 何しろ錦えもんに頼んでクルー全員浴衣着...
微妙に これ の1ページ目の話の続き。 常日頃から自分を馬鹿にしたような目で見てくる男に何で惚れてしまったのかなんて、いまさら反芻するようなことでもない。そうなるものは、そうあるべくしてそうなるものだ。だから、ゾロがサンジに惚れてしまったのも、だれの責任でもない。しいて誰かに責任を問うのであればサンジが悪い。あの目が悪い。人を小馬鹿にしたような顔をしながら、欲しいけれどけして手に入らな...
「人の命は他の命の犠牲の元に成り立っている」 多分誰もが一度は耳にしたことがあるフレーズだろうし、普段考えることが無くともこう言われればその言葉の意味は深く考えずとも理解できるだろう。まあ、多少説教じみた話ではあるが。今回その言葉を吐いたのは、麦わら海賊団のコック、サンジであった。そして、それを言われたのは食事中だったロロノア・ゾロだ。 「…あ?」 ...